文 教 常 任 委 員 会

令和6年2月29日
第 366 回(定例)兵庫県議会
付 託 議 案 審 査 参 考 資 料

【令和5年度関係】
第 160 号議案 公立学校教職員の特殊勤務手当に関する条例及び職員の特殊
勤務手当に関する条例の一部を改正する条例 ・・・2
第 162 号議案 安心こども基金等設置条例の一部を
改正する条例・・・・・・・・・・・・3
第 167 号議案 ひょうご教育創造プランの改定
・・・・・・・・・・・・4

【令和6年度関係】
第 25 号議案 個人番号の利用、特定個人情報の提供等に関する条例の一部を
改正する条例 ・・・・・・・・・・・・23

第 28 号議案 職員の給与等に関する条例及び公立学校教育職員等の給与に
関する条例の一部を改正する条例 ・・・・・・・・25

第 37 号議案 兵庫県立女性家庭センターの設置及び管理に関する条例等の
一部を改正する条例 ・・・・・・・・・・・・25
第 44 号議案 兵庫県学校教職員定数条例の一部を改正する条例
・・・・・・・・・・・・26
第 45 号議案 兵庫県立教育研修所の設置及び管理に関する条例の一部を改
正する等の条例 ・・・・・・・・・・・・27
第 46 号議案 兵庫県立体育施設の設置及び管理に関する条例の
一部を改正する条例 ・・・・・・・・・・・・28
第 87 号議案 公の施設の指定管理者の指定
・・・・・・・・・・・・28

教 育 委 員 会

1 -文 教 関 係

第160号議案 公立学校教職員の特殊勤務手当に関する条例及び職員の特殊
勤務手当に関する条例の一部を改正する条例

第1 制定の理由
国における特殊勤務手当の運用に鑑み、災害により生じた事態に対処するための作業に従事した
職員に対して支給する特殊勤務手当について、対象となる職員及び作業の範囲を広げる等所要の整
備を行う。

第2 制定の概要
1 公立学校教職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正
(1) 公立学校教職員に支給される特殊勤務手当に、災害応急作業等手当を加える(第3条関係)。
(2) 災害応急作業等手当は、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校又は特別支
援学校に勤務する職員が次に掲げる作業に従事したときに、その者に対して支給するものとし、
災害応急作業等手当の額は、当該作業に従事した日1日につき、450円とする(改正後の第9条
の3関係)。
ア 異常な自然現象により重大な災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、災害
対策基本法に規定する都道府県災害対策本部又は市町村災害対策本部が設置された他の地方公
共団体に派遣されて行う関係行政機関等との災害応急対策に係る連絡調整の作業のうち県教育
委員会が指定するもの
イ 、アに掲げる作業に相当するものとして県教育委員会が指定する作業

(3) その他規定の整備を行う(改正前の第9条から第9条の3まで関係)。
第3 施行期日等
(1) 施行期日
公布の日
(2) 適用区分

令和6年1月1日から適用する。

第162号議案 安心こども基金等設置条例の一部を改正する条例
1 制定の理由
国の公立学校情報機器整備事業費補助金を活用し、公立の小学校、中学校、義務教育学校、
中等教育学校の前期課程並びに特別支援学校の小学部及び中学部において情報通信機器その他の機
器を整備することにより、情報通信技術を活用した学校教育を推進するための事業を実施するこ
ととし、当該事業の資金に充てるための基金を設置する。

2 制定の概要

1の基金の名称は、次の表の左欄に掲げるとおりとし、当該基金は、同表の右欄に掲げる事業
の財源に充てる場合に限り、処分することができることとする(別表関係)。
公立学校情報通信機器整備基金 公立の小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の
前期課程並びに特別支援学校の小学部及び中学部において
情報通信機器その他の機器を整備することにより、情報通信技術を活用した学校教育を
推進するための事業

3 施行期日

公布の日3 –

第167号議案 ひょうご教育創造プランの改定

国の教育振興基本計画、「ひょうごビジョン2050」及び第3期「ひょうご教育創造プラン(兵庫県
教育基本計画)」の成果と課題を踏まえながら、教育基本法の理念の実現を図り、兵庫の教育を充実
させるため、第3期プランを改定し、令和6(2024)年度~令和10(2028)年度までの5年間の本
県教育の取組の考え方や具体的な施策を示す第4期「ひょうご教育創造プラン(兵庫県教育基本計
画)」を策定する。

1 計画の基本的事項
⑴ 計画の性格
ア 教育基本法第17条第2項の規定に基づく、本県の教育施策に関する基本的な計画
イ 家庭教育、幼児期から大学等までの学校教育、生涯学習・社会教育等、本県の教育全体に
関する計画であり、教育に関する各分野の個別計画の基本となる計画
ウ 市町の教育に関する計画の策定や施策の実施において、尊重されるべき基本指針

⑵ 計画の期間及び運用
ア 計画期間は、令和6(2024)年度から令和10(2028)年度までの5年間とする。
イ 毎年度、実施計画を定め具体的施策に取り組むとともに、その検証を行いつつ、次年度の
実施計画に反映していく。

2 本県教育の成果と課題(第3期プランの検証)
⑴ 新型コロナウイルス感染症の主な影響等
⑵ 「生きる力」を育む教育の推進
⑶ 子どもたちの学びを支える環境の充実
⑷ 人生100年を通じた学びの推進

3 社会情勢・教育環境の変化
⑴ 新型コロナウイルス感染症の拡大
⑵ グローバル化の進展、国際情勢の不安定化
⑶ 人口減少社会の進行
⑷ 教育に係る国際的な動向
⑸ 令和の日本型学校教育の構築
⑹ こどもまんなか社会の実現
⑺ 多様性と包摂性のある共生社会の実現
⑻ Society 5.0時代の到来
⑼ 新しい働き方の推進、働き方改革の更なる推進
⑽ 震災・気象災害への対応


4 兵庫の教育のめざす姿

⑴ 第4期「ひょうご教育創造プラン」の基本理念
兵庫が大切にしてきた教育
・ 個人の尊厳を尊重し、豊かな人間性や創造性を育む「こころの豊かさ」の育成を基調に、
地域社会が一体となって子どもたちの成長を支えていくことを重んじてきた。
・ その上で、様々に変化する社会情勢の中にあっても、不易としての教育を堅持しながら
未来を担う人材の育成という使命に応える努力を積み重ねてきた。
・ これまで兵庫の教育が大切にしてきたものの意義を、改めて社会全体で共有し、新しい
時代の教育を切り拓いていくことが求められる。

新型コロナウイルス感染症の拡大による影響
・ 新型コロナウイルス感染症の拡大は、子どもたちに広範かつ多面的な影響を与えた。加
えて、自己肯定感や当事者意識の低さ等、従来認識されながら解決に至らなかった課題も
改めて指摘されている。
・ 学校は、人と安心・安全につながることができる居場所として、教職員と子どもたちが
関わり合いながら成長することの価値や意義等について、再認識する機会となった。
・ これまで以上に学校種間、学校・家庭・地域、そして社会全体で連携・協働し、子ども
たちの成長を見守り支えていくことが求められる。

2020 年代を通じて実現すべき「令和の日本型学校教育」の姿
・ 子どもたち一人一人が、多様な人々と協働しながら、持続可能な社会の創り手となるこ
とができるよう、その資質・能力を育成することが求められている。
・ 本県が大切にしてきた教育を継承しつつ、更なる発展・振興を図り、「令和の日本型学校
教育」の実現に向けた必要な取組を果敢に進めていくことが求められる。

基本理念
兵庫が育む こころ豊かで自立する人づくり
第4期重点テーマ ―『絆』を深め、『在りたい未来』を創造する力の育成
⑵ めざす人間像
人生100年を通じて知・徳・体の調和がとれ、自らの夢や志の実現に努力し、持続可能な社
会の創り手となる人
自分のよさや可能性を認識し、あらゆる他者を価値ある存在として尊重する人
ふるさとを愛し、共に支え合いながら、明日の兵庫を切り拓き、日本の未来を担う人
日本の伝統と文化を基盤として、創造力と多様な人々との共生の心をもち、国内外で活動
する人

⑶ 育み培う心、力、態度
自律心を養い、自立する人として
社会で活動する人として
ひょうご人(ふるさとに誇りをもち、多様な人々と協働して五国を支える人)として

⑷ 各主体の責任と役割
教育行政機関
学校、教職員、社会教育施設
家庭(保護者)
地域(地域住民)
県民

5 基本方針
⑴ 基本方針1 予測困難な時代を生き抜く力を育む教育の推進
「確かな学力」の育成
(ア) 新しい時代に求められる資質・能力の育成
・ 基本的な知識・技能の習得に加え、課題等を解決するために必要な思考力・判断力・
表現力等及び学びに向かう力等を育成する。
・ 「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善、「カリキュラム・マネジメント」
の確立を図る。
・ 言語能力、情報活用能力(情報モラルを含む)、問題発見・解決能力等の学習の基盤と
なる資質・能力も含めた「新しい時代に求められる資質・能力」を育成する。

(イ) 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実

・ 「指導の個別化」では、一人一人の特性や学習進度等に応じた指導に取り組むととも
に、自ら学習を調整しながら粘り強く学習に取り組む態度等を育成する。
・ 「学習の個性化」では、一人一人に応じた学習活動や学習課題に取り組む機会を提供
するとともに、子ども自身が主体的に学習を最適化することができるよう促す。
・ 「個別最適な学び」は、探究的な学習や体験活動等を通じて、子ども同士で、あるい
は地域の方々をはじめ多様な他者と協働しながら、「協働的な学び」と一体的に進める。
・ 1人1台端末の最大限の活用等を通し、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体
的に充実させ、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善につなげるととも
に、「カリキュラム・マネジメント」の取組を一層進める。
(ウ) 情報活用能力(情報モラルを含む)の育成
・ 情報技術を活用した問題の発見・解決の方法や、情報の真偽を吟味する力、情報社会
に主体的に参画し、その発展に寄与しようとする態度等を育成する。
・ 「ひょうごGIGAワークブック」の活用等を通じて、発達段階に応じた情報モラル教育
に取り組む。
(エ) 伝統と文化を尊重しグローバル化に対応する国際教育の強化
・ 自らの国やふるさとを愛し誇りをもつとともに、他国の伝統と文化を尊重する態度を育成する。
・ 国や文化の異なる人々と主体的にコミュニケーションを図ろうとする態度や、豊かな
語学力、コミュニケーション能力を育成する外国語教育に取り組む。
・ 国際交流や海外留学の促進を図り、異なる言語や文化の違いを乗り越え、多角的な視
野をもって自立的な思考を行い、多様な立場の者が協働的に議論し、納得解を生み出す
力等を育成する。
・ グローバルな立場から社会の持続的な発展を牽引する人材となり得るグローバル・リ
ーダーや、グローバルな視点をもって地域社会の活性化を担う人材の育成につながる取
組の創出を図る。
(オ) 新たな価値を創造する教育の充実
・ 1人1台端末を積極的に活用しつつ、探究的な学びの過程を重視した教科等横断的な
学習や探究学習の充実を図る。
・ 学校と地域が連携・協働しつつ、地域の具体的な課題等、実社会における課題解決に
いかしていくための教科等横断的な学習の充実を図る。
・ 理数分野をはじめとして、魅力ある授業づくりや外部人材の活用等、興味・関心や意
欲をより一層高めるための取組の充実を図る。
・ 高校においては、新たな価値の創造や課題解決への道を切り拓く社会のリーダーの育
成や、将来国際的に活躍し得る科学技術系人材を育成する。
(カ) 魅力と活力ある高校づくりの推進
・ スクール・ミッションに基づき、日々の教育活動の中で創意工夫に努め、特色ある取
組を推進する。
・ 探究を軸とした普通科新学科の設置、特色ある学科や特色類型の改編等、各校の魅力・
特色づくりを推進する。
・ 発展的統合により、望ましい規模の確保を図るとともに、伝統と特色を継承・発展さ
せた魅力と活力ある学校づくりに取り組む。
・ 入学者選抜制度・方法の工夫と改善を図る。
「豊かな心」の育成

(ア) 兵庫型「体験教育」の推進
・ それぞれの取組の意義を学校・家庭・地域等、社会全体で共有・発信し、実施内容や
在り方等について不断の工夫・改善を図りながら、取組の充実を図る。
・ 自然学校では、日常では経験できない「感動体験」や児童の「主体性」を育むプログ
ラムを作成・実施するなど、質的向上を図る。
・ トライやる・ウィークでは、コミュニティ・スクール等を効果的に活用するなど、学
校・家庭・地域の連携を一層深めた取組を推進する。
(イ) ふるさと意識を醸成する教育の推進
・ 子どもたちの兵庫への愛着を深めるため、身近にある自然・産業・歴史・伝統等につ
いての知識や理解を深める取組を推進する。
・ 国際的な視野をもちながら、日本の歴史や文化に対する理解を深めるための歴史に関
する教育の充実に取り組む。
・ 感謝の心やふるさとへの愛着心を育むため、子どもたちが地域の人々とのつながりを
深めて地域の魅力を発見する取組を充実させる兵庫型「体験教育」を推進する。
・ 本県が誇る様々な伝統文化、伝統芸能、舞台芸術に触れる機会の充実を図るとともに、
地域に根ざした行事への参画の促進や地域活性化策の具現化に係る取組を推進する。

(ウ) 道徳教育の推進
・ 兵庫版道徳教育副読本の活用や研修等を通じて、指導内容と指導方法の工夫・改善、
指導力の向上を図り、学校の教育活動全体を通じた道徳教育に取り組む。
・ 兵庫版道徳教育副読本の家庭での活用を推進するとともに、学校・家庭・地域が連携
した道徳教育に全県的に取り組む。
(エ) 人権教育の推進
・ 人権教育資料や人権啓発資料の活用、研修の実施等により、指導方法の工夫・改善、
指導力の向上を図り、他者と共生する態度を育成する。
・ 地域における人権課題の解決に向け、人権課題の把握、学習活動や交流活動等を通じ
て、心と心が豊かにつながる地域づくりを推進する。
(オ) いじめへの対応
・ 「兵庫県いじめ防止基本方針」及び「いじめ対応マニュアル」に基づき、いじめの未
然防止、早期発見・早期対応を図る全県的・地域的な連携体制をより一層強化する。
・ いじめは人権侵害行為であることを理解し、子どもたちが自他の生命、個性、人権等
を尊重する姿勢や態度を身に付けるような教育に取り組む。
・ 発達支持的生徒指導の推進を通じて、人権意識等を身に付けるとともに、自己肯定感
等を感じることができる、安心・安全で魅力ある学級・学校づくりを推進する。
・ 自殺予防教育の下地づくりとして位置付けられる取組を進めながら、すべての子ども
たちが「心の危機に気付く力」と「相談する力」を身に付けることをめざす。
(カ) 不登校への対応
・ 国の不登校対策を踏まえつつ、全県一丸となって不登校対策に取り組む。
・ 学校を「みんなが安心して学べる」場所にするため、「チーム学校」として、組織的・
継続的な取組を推進する。
・ 学校・家庭・地域の連携を強化し、地域での「つながりと居場所づくり」を広げる取
組を推進する。
・ 不登校の子どもやその保護者への計画的な支援と情報共有等、支援関係機関の取組を
強化し、「多様な学びの場」を確保する。
・ 全教職員を対象としたカウンセリングマインド研修の充実や、専門家の活用等により、
「ケースに応じた効果的な支援」に取り組む。
(キ) 読書活動の充実
・ 発達段階等に応じた本に親しむ活動や読書習慣の定着・指導、学校図書館を活用した
学習活動の充実を図る。
・ 家庭での読書の習慣付けの理解促進を図るとともに、学校・家庭・地域との連携によ
る読書活動を推進する。

・ 市町における「子どもの読書活動推進計画」策定の取組を支援するなど、子どもの読
書活動に関する支援体制の充実を図る。

ウ 「健やかな体」の育成
(ア) 健康教育・食育の推進

・ 感染症予防に関する保健指導等を通じて、子どもたちが生涯にわたり健康を保持増進
する力や態度を育成する。

・ 様々な機会において、子どもたちの健康課題を早期に発見し、適切に対応するため、
専門機関等と連携した保健管理、保健組織活動等の取組を推進する。

・ 食生活が自然の恩恵や人々の様々な活動の上に成り立っていることについて理解を深
めるとともに、生産者等への感謝の心を育む。

(イ) 体力・運動能力の向上

・ 「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の課題検証を行い、子どもたちの体力・運
動能力の更なる向上を図る。

・ アスリート等の外部人材の招へい等を通じて、スポーツの価値や効果、運動の魅力に
触れる機会を確保する。

・ 特色ある優れた取組の実践や、学校・家庭・地域が連携した取組を推進し、継続的に
運動・スポーツに親しむ習慣や意欲を養う。

(ウ) 部活動改革の推進

・ 地域の実情や子どもたちのニーズに応じた、持続可能で多様なスポーツ環境を整備す
る。

エ 社会的自立に必要な資質・能力・態度の育成
(ア) 兵庫型「キャリア教育」の推進

・ 兵庫版「キャリア・パスポート」及びキャリアノートの小・中・高一貫した活用等に
より、「基礎的・汎用的能力」の4つの能力を意図的・継続的・系統的に育成する。

・ 家庭や地域と連携し、社会に触れる機会の充実を図る。

  • 9 –

(イ) 社会的資質・能力の発達の支援

・ 子どもたちが自発的・主体的に自らを発達させ、その発達を支えるような生徒指導の
側面に着目した取組を推進する。

・ 校長のリーダーシップのもと、教職員や学校内外の多様な専門人材、地域と連携・協
働しながら取り組む。

(ウ) 主体的に社会の形成に参画する態度等の育成

・ 地域の具体的な課題等、実社会における課題解決学習や、主権者教育、政治的教養の
教育、消費者教育、金融教育、起業家教育(アントレプレナーシップ教育)等、様々な
教育活動を通じて主体的に社会の形成に参画する態度を育成する。

・ 校則の見直し等子どもたちに関わるルール等の制定や見直しの過程に、子どもたち自
身が関与することは、身近な課題を自分たちで解決する経験となるなど、教育的な意義
があることも踏まえ、子どもたちの主体性を育む取組を推進する。

オ 特別支援教育の推進

(ア) 連続性のある多様な学びの場における教育の充実

・ 一人一人の教育的ニーズと必要な支援についての合意形成に向け、早期からの教育相
談と校園内支援体制の充実を図る。

・ 通常の学級等において、合理的配慮の提供について理解促進を図るとともに、一人一
人の違いや多様性を認め合える学校園経営・学級経営に取り組む。

・ 副籍を活用した居住地校交流の充実を図る。

・ 支援を必要とする子どもが、地域において専門性の高い通級による指導を受けられる
よう、将来を見据えた連続性のある指導を行う。

・ すべての教職員を対象に学習上・生活上の支援の工夫や合理的配慮の提供に関する研
修等の充実を図る。

・ 個別の教育支援計画等を活用した、体系的・系統的なキャリア教育に取り組む。

・ ICTの効果的な活用による自立活動の指導の充実を図るとともに、在宅就労等の新たな
働き方に対応した多様な進路選択の実現を推進する。

・ 障害の状態や特性、学校や地域の実情等に応じた課題に対応できるよう、教育環境整
備の充実を図る。

(イ) 連携による切れ目ない一貫した相談・支援体制の充実

・ すべての学校における医療的ケアの安全な実施に向け、医療関係機関等と連携した実
施体制の整備を推進する。

・ 学校・家庭と、放課後等デイサービス事業所等の福祉との一層の連携を推進する。

・ 一人一人のニーズに応じた進路の実現をめざすため、企業等への理解促進と就労支援
体制の充実を図る。

  • 10 –

・ 積極的に文化芸術やスポーツに触れる機会を提供するとともに、県民に向けた理解啓
発を促進する。

カ 幼児期の教育の充実

(ア) 幼児期における教育の質の向上

・ 3要領・指針について、研修等を通じて関係者の理解を深め、幼児教育施設における
教育内容や指導方法の工夫・改善・充実を図る。

・ 幼児教育は、幼児を取り巻く環境のすべてが教材となり得ることを踏まえ、体験活動
の充実に取り組む。

・ 幼児の発達や幼児への関わり方等に対する保護者の理解、親子や親同士の交流が深め
られるよう、家庭・地域との連携・協働による家庭教育への支援に取り組む。

(イ) 幼保小の協働による架け橋期の教育の充実

・ 幼児教育施設と小学校の教職員が子どもたちの成長や互いの教育について共通理解し
連携を深め、接続期のカリキュラムの普及及び改善・充実を図る。

キ 高等教育(大学)の推進

(ア) グローバル社会で活躍できる人材の育成

・ 英語によるコミュニケーション能力に加え、自らの考えを積極的に発信し、広い視野
をもって新しい価値を創造できる力の育成に向けた教育を推進する。

・ 海外留学、海外からの留学生や研究者の受入推進等、国際交流の充実を図る。
(イ) 地域のニーズに応える専門人材の育成

・ 地域の特色をいかした連携教育の推進や、社会人を対象としたリカレント教育の充実
等により、地域課題の解決と地域の活性化に貢献できる人材を育成する。

(ウ) 高度な専門性を有する人材の育成

・ 学部、大学院の改革を推進し、高度な専門性を有する人材の育成を図るなど、社会の
変化に的確に対応した魅力ある教育研究を展開する。

ク 私学教育の振興

(ア) 私立幼稚園・小学校・中学校・高校の教育への支援

・ 私立学校の独自性を尊重しながら経常費補助等の支援を行い、学校運営の安定化や教
育環境の維持・向上を図る。

・ 保護者等の経済的な負担軽減を図り、生徒の就学機会を確保する。
(イ) 私立専修学校・各種学校の教育への支援

・ 専修学校及び各種学校について、教育環境の維持・向上や、多彩な教育活動等の展開
に向けた取組を支援する。

・ 保護者等の経済的な負担軽減を図り、生徒の就学機会を確保する。
ケ 人生100年を通じた学びの推進

  • 11 –

(ア) 生涯学習・社会教育の振興

・ それぞれのライフステージに応じた学びを通じた主体的なキャリア形成を図ることが
できるよう、学習ニーズを踏まえた生涯学習の機会と場の充実を図る。

・ 大学や専修学校をはじめ、様々な施設・講座において、個々人のニーズに応じてリカ
レント教育を受けられる機会や内容の充実を図る。

・ 世代を超えて互いに交流しながら、「地域社会」を実現するための活動を通じて、各自
が成長していくための環境の整備を図る。

・ 社会教育指導者や社会教育関係職員の研修等、社会教育を担う人材の養成・活躍機会
の拡充を図る。

(イ) 社会教育施設の充実

・ 県民の多様な学習ニーズに対応するため、特別展や企画展等の展示や各種講座、オン
ラインコンテンツ等の充実を図り、利用者の満足度の向上に取り組む。

・ 多様な学習ニーズに対応するための調査研究の推進や学びのプログラムの提供等学習
機会の充実を図る。

・ 誰もが楽しめる取組の推進を通じて、県民が芸術文化に触れる機会の充実を図る。

・ 社会教育施設の魅力を伝える広報活動の積極的な展開を図るとともに、外部資金の積
極的な獲得を図る。

(ウ) 文化芸術の振興と文化財の保存・活用

・ 「芸術文化振興ビジョン」に基づき、若手芸術家の発掘・育成、アウトリーチ活動の
推進等、更なる振興に向けた取組を推進する。

・ 歴史文化遺産の保存・整備とともに、歴史文化遺産を継承していくことに対する理解
の促進、文化財に触れる機会の充実を図る。

・ ヘリテージマネージャ-(歴史文化遺産活用推進員)の養成等により、歴史文化遺産
を後世に継承するための人材を確保する。

・ 本県を語る上で欠くことのできない歴史上のテーマや、重要で広域的な課題について
体系的な調査研究を実施する。

(エ) 「する・みる・ささえる」スポーツへの参画

・ 「子ども・ユーススポーツの推進」、「生涯スポーツの推進」、「競技スポーツの推進」、

「障害者スポーツの推進」を柱に、「する・みる・ささえる」スポーツへの参画に係る取
組を推進する。

⑵ 基本方針2 すべての子どもたちが自分らしく安心して過ごせる学校・家庭・地域等の構築
ア 多様性の尊重と包摂性のある教育の推進

(ア) 特別支援教育の推進(再掲)
(イ) 不登校児童生徒への支援(再掲)

  • 12 –

(ウ) 多様な教育ニーズへの対応

・ 様々な事情・背景により多様な教育ニーズのある子どもたちが安心して教育を受けら
れるよう、多様な学び場の確保・充実に取り組む。

・ 様々な事情・背景により多様な教育ニーズのある子どもたちに対応する観点からも、「個
別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を図る。

・ 様々な困難や課題を抱える子どもたちに対し、「チーム学校」による早期発見・早期対
応や関係機関と連携した切れ目ない教育相談体制の充実を図る。

・ 日本語指導に関わる支援員の配置や派遣の充実、教員研修の実施、教育相談等に取り
組む。

(エ) 男女共同参画の視点に立った教育の推進

・ 性別にとらわれず主体的に多様な進路を選択することの重要性等についての指導を推
進する。

・ 教職員が、男女共同参画の理念を理解し推進できるよう研修の実施等に取り組む。
イ 学校・家庭・地域との協働による豊かな学びの推進

(ア) 家庭の教育力の向上

・ 家庭教育の重要性についての啓発、子育ての悩み・不安の解消、親が親として成長す
るための学びの支援、相談体制の充実等、家庭教育の支援に取り組む。

(イ) 地域の教育力の向上

・ 子どもたちの安全で健やかな居場所を確保する体制を構築するとともに、連携を円滑
に進めるコーディネーター機能の充実を図る。

・ 学校・家庭・地域が連携・協働して、相互に育ち合いながら、「地域とともにある学校」
づくりを推進する。

ウ 子どもの育ちを社会全体で支える取組の推進

(ア) 子どもたちの創造的な活動等を支援する取組の推進

・ 「コミュニティ・スクール」と「地域学校協働活動」の一体的な実施を推進する。

・ 本県が全国に先駆けて推進してきた兵庫型「体験教育」や、地域との協働活動、部活
動等の意義を強く発信し、多様な担い手の協働・参画を得る取組を推進する。

・ 「教育推進月間」の発信強化・活用の推進等、教育への関心を高め、次代を担う子ど
もたちの教育に関する取組を県民全体で推進する。

(イ) 働き方改革・新たな働き方やワーク・ライフ・バランスの推進

・ ワーク・ライフ・バランスや働き方改革を推進する。
エ 関係機関等との連携の強化

(ア) 関係機関等との連携の強化

・ 様々な困難や課題を抱える子どもたちに対し、早期発見・早期対応や関係機関と連携

  • 13 –

した切れ目ない教育相談体制の充実を図る。

・ 学校と行政の各部局、福祉機関、医療・保健機関、警察・司法等とが連携し、真に支
援が必要な子ども・家庭の発見や、ニーズに応じた支援につなげる。

・ 学校外の多様な担い手による学びの提供や多様な支援体制の確保を図り、学びの多様
化や地域等と一体となった活動を推進する。

(イ) 教育データ利活用に関する研究

・ 国の状況を注視しつつ、取組事例の収集や課題の整理、利活用の具体的な方策等につ
いて研究を行う。

オ 子どもたちの安心・安全の確保
(ア) 安全教育の推進

・ 防犯や交通安全等を通じて、自ら適切に判断し主体的に行動する態度を育成する。

・ 家庭、地域、関係機関との連携・協働による学校安全を推進する。

・ 学校における取組事例の普及や研修の実施、アドバイザーの派遣等、学校の取組を支
援する。

(イ) 「兵庫の防災教育」の推進

・ 新任教職員への研修、防災に関する専門性の高い教職員の養成、震災・学校支援チー
ム(EARTH)の訓練・研修等を通じて、教職員の対応力の向上を図る。

・ 防災教育副読本「明日に生きる」の活用・改訂や、取組事例の県内への普及等を通じ
て、学校の防災教育、防災体制の充実を図る。

・ 高校生等が災害に関する知識を学ぶ機会を設けるとともに、支援者としての視点から
安全で安心な社会づくりに貢献する意識の向上や態度を育成する。

(ウ) 学校の危機管理体制の向上

・ 危機管理マニュアル等の継続的な見直しを行うとともに、校内研修等を通じて全教職
員が共通に理解するよう取り組む。

・ 新型コロナウイルス感染症における対応事例の収集・整理や、非常時における端末の
持ち帰り学習の準備等に継続的に取り組む。

⑶ 基本方針3 安心・安全で質の高い学びを実現する教育環境の整備・充実
ア 教育DXの実現に向けた教育の情報化の推進

(ア) 1人1台端末の活用推進

・ 小学校から高校まで一貫して1人1台端末の活用を「日常化」するとともに、教員の
ICT活用指導力の向上やICT環境の整備・充実に取り組む。

・ 高校においては、BYODにより、学校に限らず家庭でも同環境で端末を用いた学習が行
え、学びの広がりと深化が期待できることから、積極的な活用を進める。

(イ) 情報活用能力(情報モラルを含む)の育成(再掲)

  • 14 –

(ウ) 教員のICT活用指導力の向上

・ 研修等を通じて、ICTの活用の「日常化」を促進するとともに、教員のICT活用指導力
の向上を図る。

・ 教員が校内研修も含め積極的に研修等に参加し研鑽を深められるよう、研修受講の奨
励や働き方改革の推進による時間の確保等に取り組む。

・ 県内のすべての子どもたちが1人1台端末を効果的に活用した学びが実現できるよう、
全県一体となって「GIGAスクール構想の実現」に取り組む。

(エ) 校務改善と教育環境充実に向けたICT環境の整備・充実

・ 通信環境の強化を図るなど、ICTを最大限活用できる環境の整備推進に取り組む。

・ 校務・業務のデジタル化を図り、教職員が積極的にICTを活用できるよう、更なる整備
推進に取り組む。

(オ) 教育データ利活用に関する研究(再掲)
イ 修学環境の整備・充実

(ア) 安心・安全な教育環境整備の推進

・ 老朽化が進行している県立学校施設について、「県立学校施設管理実施計画」に基づき、
学校施設の長寿命化改修等を計画的に実施する。

・ 選択教室や避難所指定体育館の空調整備、発展的統合校の特色づくり等、環境改善を
計画的に実施する。

・ 授業や部活動等で使用する備品・用具等の整備を学校の特色に応じて集中的に実施す
る。

(イ) 教育費負担の軽減に向けた経済的支援

・ 家庭の教育費負担を軽減するため、就学支援金等を支給する。

・ 経済的な理由により修学が困難な生徒に対し、奨学金等を貸与する。

・ 家計急変等により就学が困難となった生徒に対し、就学支援を行う。
ウ 教職員の資質・能力の向上

(ア) 質の高い人材の確保、資質・能力の向上

・ 国が進める 「学校における働き方改革、処遇改善、指導・運営体制の充実の一体的な
推進」を踏まえた対応を的確に行う。

・ 教員の魅力発信に加え、採用試験の工夫・改善による優れた人材の安定的な確保を図
るとともに、幅広い人材発掘に取り組む。

・ 教職員のキャリアステージ・能力・適性に応じた体系的な研修を実施するとともに、
研修履歴を活用した教職員の研修受講を奨励する。

(イ) 意欲と能力が最大限発揮できる指導・運営体制の整備・充実

・ 多様な教育ニーズに応じた学校の指導・運営体制の効果的な強化・充実を図る。

  • 15 –

・ 子どもたちに必要な資質・ 能力を育むことができるよう「チーム学校」を一層推進す
る。

エ 学校の組織力の向上

(ア) 働きがいのある学校づくりの推進

・ 多様な専門性をもつ支援スタッフが連携・分担して役割を果たし、関係機関との連携
も図りながら、子どもたちを取り巻く様々な課題への対応に取り組む。

・ 外部人材の積極的な活用や業務支援員の配置支援、慣習にとらわれない行事・業務の
見直し・廃止等により、学校・教職員が担う業務の適正化を図る。

・ 校長等のリーダーシップのもと「チーム学校」として、教職員の業務負担軽減に取り
組む。

(イ) 教職員の健康管理

・ メンタルヘルス不調の未然防止や早期発見・早期対処を目的とした相談事業、研修、
職場復帰支援等に取り組む。

・ メンタルヘルス総合対策の取組を広く教職員に周知し、きめ細かいサポートに取り組
む。

・ ワーク・ライフ・バランスの推進を図る。

・ 相談窓口の活用や倫理観を高める研修の実施等を通じて、風通しのよい学校づくりを
推進する。

(ウ) 管理職の確保・育成

・ これからの時代に求められる資質・能力を有する管理職の確保・育成を行うため、体
系的・実践的な研修を実施する。

・ 将来管理職になることが想定されている主幹教諭の計画的な配置を行う。

  • 16 –

第3期プランにおける進捗の総括

第4期ひょうご教育創造プラン(案)【概要】

第3期プラン計画期間中における変化等

第3期の計画期間中、全国的に新型コロナウイルス感染症が拡大し、学校教育も様々な影響を受け
たが、重点テーマである「『未来への道を切り拓く力』の育成」に向け、可能な限りの創意工夫を行
いながら、学校・家庭・地域が連携した取組を進めてきた結果、令和4年度においては、40指標は目
標値の90%以上を達成することができた。一方、目標値を下回った(70%未満)指標は6指標であ
り、新型コロナウイルス感染症の影響により活動を制限されたことが大きな要因である。人と人との
繋がりの大切さの重要性を認識し、社会全体で子どもの成長を支える取組の充実が欠かせない。

国の第4期教育振興 本計画における2つのコンセプトと5つの 本方針

○新型コロナウイルス感染症拡大による影響

人と人との対面でのコミュニケーションの減少、体験的な活動の減少、国際交流の停滞、地域活動等

地域との繋がりの減少、不登校児童生徒の増加 等

○社会情勢・教育をめぐる変化

グローバル化の進展・国際情勢の不安定化、令和の日本型学校教育の構築、こども基本法の成立、多

様性と包摂性のある共生社会の実現、Society5.0社会の構築 等

〇計画のコンセプト

・2040年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の育成

・日本社会に根差したウェルビーイングの向上

第4期ひょうご教育創造プランの 本理念

(1)兵庫が大切にしてきた教育

〇教育政策に関する 本的な方針

・グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成

・誰一人取り残されず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向け
た教育の推進

・地域や家庭で共に学び支え合う社会の実現に向けた教育の推進

(2)新型コロナウイルス感染症の拡大による影響

・教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進

・計画の実効性確保のための基盤整備・対話

(3)2020 年代を通じて実現すべき「令和の日

本県の教育は、いつの時代にあっても教育の根底にある、個人の尊厳を
尊重し、豊かな人間性や創造性を育む「こころの豊かさ」の育成を基調に、
子どもたちの豊かな人間関係の構築、学校と家庭のみならず、地域社会が
一体となって子どもたちの成長を支えていくことを重んじてきた。

その上で、兵庫型「体験教育」等の展開による「思いやりの心」「ふる
さとを愛し誇りをもつ心」の醸成、震災の経験と教訓を活かした「共生の
心」「生きる力」を育む「兵庫の防災教育」の推進、一人一人の個性や創
造性を伸ばす教育や「社会に開かれた教育課程」の実現を図るなど、様々
に変化する社会情勢の中にあっても、不易としての教育を堅持しながら未
来を担う人材の育成という使命に応える努力を積み重ねてきた。

今後とも、変化の激しい時代だからこそ、これまで兵庫の教育が大切に
してきたものの意義を、改めて社会全体で共有し、その上で新しい時代の
教育を切り拓いていくことが求められる。

新型コロナウイルス感染症の拡大による3年以上に及ぶ社会経済活動や教
育活動への制限は、体験活動の機会や地域とのつながりを減少させ、不登校
の子どもたちが増加するなど、子どもたちに広範かつ多面的な影響を与えた。
これらに加え、自己肯定感や当事者意識の低さ等、従来認識されながら解決
に至らなかった様々な課題も、これを機に改めて指摘されている。

一方、こうした状況の中で、学校は学習機会や学力の保障のみならず、人
と安心・安全につながることができる居場所として、身体的・精神的な健康
を支えるという役割も担っていることや、全人的な発達・成長を保障する役
割として、教職員と子どもたちが教室に集い、関わり合いながら成長するこ
との価値や意義等について、再認識する機会となった。

新型コロナウイルス感染症の拡大が子どもたちに与えた影響は今後も継続
していくことが懸念され、更に顕在化してくる課題もあると考えられる。こ
れまで以上に学校種間、学校・家庭・地域、そして社会全体で連携・協働し、
子どもたちの成長を見守り支えていくことが求められる。

本型学校教育」の姿

急激に変化する時代の中で、子どもたち一人
一人が、自分のよさや可能性を認識するととも
に、あらゆる他者を価値のある存在として尊重
し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変
化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可
能な社会の創り手となることができるよう、そ

の資質・能力を育成することが求められている。

これまで本県が大切にしてきた教育を継承し
つつ、新しい時代を見据えて更なる発展・振興
を図り、知・徳・体を一体的に育みながら「令
和の日本型学校教育」の実現に向けた必要な取
組を果敢に進めていくことが求められる。

第4期プラン 本理念:兵庫が育むこころ豊かで自立する人づくり

重点テーマ:「『絆』を深め、『在りたい未来』を創造する力」の育成

○ 第3期プランでは、子どもたちが将来の夢や目標に向かって主体的にキャリア形成と自己実現を図ることをめざし、「兵庫が育む こころ豊かで自立する人づくり」を基本理念とし、「『未来への道を切り

拓く力』の育成」を重点テーマとして、様々な取組を展開してきた。


今後の教育には、社会情勢の激しい変化が続く中、想定外の事象と向き合い対応する力や不透明な未来を切り拓く力をどう涵養していくかという視点とともに、ウェルビーイングの向上や持続可能な社会
の実現という視点が重要である。そのためにも、自ら「在りたい自分」や「在りたい社会」を描き、自己のみではなく主体的に他者と協力・協働しながらその実現に向けた課題を発見・解決し、新たな価
値を「創造」していく力を育むことが求められる。

○ また、多様な人々が共に暮らす社会において、自分のよさや可能性を認識し、あらゆる他者を価値ある存在として尊重するとともに、学校・家庭・地域が連携・協働し相互に育ち合いながら、これまで兵

庫が大切にしてきた「絆」を深めて、子どもたちの成長を支え、誰一人取り残されないよう、子どもたちが自分らしく安心して過ごせる環境を構築していくことが重要である。

○ 更に、人生100年時代をより豊かに生きるため、生涯にわたって、意欲をもって知識と知恵をアップデートし続け、スキルを身に付けるなど、自らの可能性を最大限に伸ばし、学びの成果を社会の様々な

場面で発揮できる社会を形成することが求められる。

○ これらを踏まえ、第4期においては、本県教育の 本理念としてきた「兵庫が育む こころ豊かで自立する人づくり 」を 本としながら、第3期重点テーマ「『未来への道を切り拓く力』の育成」を継承

しつつ、更なる本県教育の振興を図るため、「『絆』を深め、『在りたい未来』を創造する力の育成」を重点テーマとして取り組むこととしたい。

理念・重点テーマの
実現に向けた
3つの方針

基本方針1

予測困難な時代を生き抜く力を育む教育の推進

「不易」をしっかり守りつつ、「流行」として、社
会の変化に対応し、主体的に考え行動して、未来
に向けて新たな価値を創造する力を育む。

基本方針2

すべての子どもたちが自分らしく安心して

過ごせる学校・家庭・地域等の構築

自分のよさや可能性を認識し、あらゆる他者を価値あ
る存在として尊重するとともに、学校・家庭・地域等
が連携・協働し社会全体で子どもの成長を支える。

基本方針3

安心・安全で質の高い学びを実現する教育環境の

整備・充実

子どもたちの豊かな学びを実現するための教育環

境の整備・充実を図る。

実現に向け、

基本的方向性

⇒施策を展開

  • 17 –

第4期ひょうご教育創造プラン(案)【概要】

学習指導要領や生徒指導提要等は、一人一人の子どもを主語にする学校教育の実現をめざし改訂がなされたことも踏まえ、第4期の実施に当たっては、子どもたち自身が必要な

資質・能力等を身に付けていけるよう、学校、家庭、地域、行政等、社会全体が支えていくという視点を改めて重視し、取り組んでいくことが重要である。

本方針1

予測困難な時代を生き抜く力を育む教育の推進

本的方向 施 策

本方針2

すべての子どもたちが自分らしく安心して過ごせる学校・家庭・地域等の構築

本的方向 施 策

(1) 「確かな学力」の育成

(2) 「豊かな心」の育成

(3) 「健やかな体」の育成

①新しい時代に求められる資質・能力の育成

②「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的

な充実

③情報活用能力(情報モラルを含む)の育成

➃伝統と文化を尊重しグローバル化に対応する国際

教育の強化

⑤新たな価値を創造する教育の充実

⑥魅力と活力ある高校づくりの推進

①兵庫型「体験教育」の推進

②ふるさと意識を醸成する教育の推進

③道徳教育の推進

➃人権教育の推進

⑤いじめへの対応

⑥不登校への対応

⑦読書活動の充実

①健康教育・食育の推進

②体力・運動能力の向上

③部活動改革の推進

(1) 多様性の尊重と包摂性のあ
る教育の推進

(2) 学校・家庭・地域との協働

による豊かな学びの推進

(3) 子どもの育ちを社会全体で

支える取組の推進

(4) 関係機関等との連携の強化

(5) 子どもたちの安心・安全の
確保

本方針3

①特別支援教育の推進(再掲)

②不登校児童生徒への支援(再掲)

③多様な教育ニーズへの対応

➃男女共同参画の視点に立った教育の推進

①家庭の教育力の向上

②地域の教育力の向上

①子どもたちの創造的な活動等を支援する取組の

推進

②働き方改革・新たな働き方やワーク・ライフ・
バランスの推進

①関係機関等との連携の強化

②教育データ利活用に関する研究

①安全教育の推進

②「兵庫の防災教育」の推進

③学校の危機管理体制の向上

(4) 社会的自立に必要な資質・

能力・態度の育成

①兵庫型「キャリア教育」の推進

②社会的資質・能力の発達の支援

③主体的に社会の形成に参画する態度等の育成

安心・安全で質の高い学びを実現する教育環境の整備・充実

本的方向 施 策

(5) 特別支援教育の推進

(6) 幼児期の教育の充実

(7) 高等教育(大学)の推進

(8) 私学教育の振興

(9) 人生100年を通じた学びの

推進

①連続性のある多様な学びの場における教育の充実

②連携による切れ目ない一貫した相談・支援体制の

充実

①幼児期における教育の質の向上

②幼保小の協働による架け橋期の教育の充実

①グローバル社会で活躍できる人材の育成

②地域のニーズに応える専門人材の育成

③高度な専門性を有する人材の育成

①私立幼稚園・小学校・中学校・高校の教育への

支援

②私立専修学校・各種学校の教育への支援

①生涯学習・社会教育の振興

②社会教育施設の充実

③文化芸術の振興と文化財の保存・活用

➃「する・みる・ささえる」スポーツへの参画

(1) 教育DXの実現に向けた教育

の情報化の推進

(2) 修学環境の整備・充実

(3) 教職員の資質・能力の向上

(4) 学校の組織力の向上

①1人1台端末の活用推進

②情報活用能力(情報モラルを含む)の育成

(再掲)

➂教員のICT活用指導力の向上

➃校務改善と教育環境充実に向けたICT環境の整
備・充実

⑤教育データ利活用に関する研究(再掲)

①安心・安全な教育環境整備の推進

②教育費負担の軽減に向けた経済的支援

①質の高い人材の確保、資質・能力の向上

②意欲と能力が最大限発揮できる指導・運営体制

の整備・充実

①働きがいのある学校づくりの推進

②教職員の健康管理

③管理職の確保・育成

  • 18 –

第4期ひょうご教育創造プラン(案・概要)(第3部 6 本方針)

本方針1 予測困難な時代を生き抜く力を育む教育の推進

(1)「確かな学力」の育成

新しい時代に求められる資質・能力の👉成に向けた授業改善等学

びの充実に取り組むとともに、グローバル化をはじめ、ICTやAI等
の技術革新等、複雑化・多様化する社会において、社会課題の発
見・解決や持続的な社会の発展・創造に向け、新たな価値を創造し、
既存の様々な枠を越えて活躍できる人材の👉成を図るため、以下の
事項に取り組む。

①新しい時代に求められる資質・能力の育成、

②「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実、

③情報活用能力(情報モラルを含む)の育成、

➃伝統と文化を尊重しグローバル化に対応する国際教育の強化、

⑤新たな価値を創造する教育の充実、⑥魅力と活力ある高校づくりの推進

(2)「豊かな心」の育成

複雑化・多様化した社会において、変化を前向きに受け止めなが
ら、地域や社会、生活、人生をより豊かなものとしていくため、公
共の精神、郷土の自然や伝統・文化の尊重、豊かな情操や規範意識、
自他の生命の尊重、自己👉定感・自己有用感、他者への思いやり、
人間関係を築く力、心の危機に気付く力、援助希求的態度等を👉み、
豊かな人間性を👉成することが重要であるため、以下の事項に取り
組む。

①兵庫型「体験教育」の推進、②ふるさと意識を醸成する教育の推進、

③道徳教育の推進、➃人権教育の推進、⑤いじめへの対応、

⑥不登校への対応、⑦読書活動の充実

(3)「健やかな体」の育成

子どもたちが生涯を通じて、生活習慣の確立や学校保健の推進等
により、心身の健康の保持増進と体力の向上を図るとともに、運動
やスポーツに親しむ資質・能力を👉成し、スポーツに継続して親し
む機会を確保できるよう、以下の事項に取り組む。

①健康教育・食育の推進、②体力・運動能力の向上、③部活動改革の推進

(4)社会的自立に必要な資質・能力・態度の育成

子どもたち一人一人が自己実現を果たし、社会において充実して
生きられるよう、自己のみではなく、主体的に他者と協力・協働す
ることの重要性も認識しながら、社会的・職業的自立に向けて必要
な資質・能力・態度を👉成するとともに、持続可能な社会の創り手
として、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その
発展に寄与する態度や規範を養うため、以下の事項に取り組む。

①兵庫型「キャリア教育」の推進、②社会的資質・能力の発達の支援、

③主体的に社会の形成に参画する態度等の育成

(5)特別支援教育の推進

障害のある子どもたちの自立と社会参加に向けて、障害者権利条
約や障害者基本法等に基づき、障害のある子どもたちと障害のない
子どもたちが可能な限り共に過ごすための条件整備と、一人一人の
教👉的ニーズに応じた学びの場の整備を両輪として、インクルーシ
ブ教👉システムの実現に向けた取組を一層推進するため、「兵庫県
特別支援教👉推進計画」に基づき、以下の事項に取り組む。

①連続性のある多様な学びの場における教育の充実、

②連携による切れ目ない一貫した相談・支援体制の充実

(6)幼児期の教育の充実

幼児期の教👉は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの
である。また、気づく力、やりぬく力、人と関わる力等の非認知能
力等を身に付ける上でも重要である。そのため、幼児の発達の特性
や個々の課題に応じた質の高い教👉・保👉を提供するとともに、幼
児教👉と小学校教👉を円滑に接続するため、幼保小はもとより、家
庭、地域、関係団体等、子どもに関わるすべての関係者が連携・協
働し、以下の事項に取り組む。

①幼児期における教育の質の向上、

②幼保小の協働による架け橋期の教育の充実

  • 19 –

第4期ひょうご教育創造プラン(案・概要)(第3部 6 本方針)

(7)高等教育(大学)の推進

予測困難な時代にあって、豊かな人間性を備えた創造的な人材を

👉成し、学修者が自らの可能性を最大限に発揮するとともに、多様
な価値観や文化的背景をもつ人材が協働して、地域の発展はもとよ
り、社会が直面する課題の解決に貢献する教👉を行い、社会と世界
に貢献していく大学となれるよう、県立大学においては、以下の事
項に取り組む。

①グローバル社会で活躍できる人材の育成、

②地域のニーズに応える専門人材の育成、

③高度な専門性を有する人材の育成

(8)私学教育の振興

建学の精神に基づく多様な人材👉成や特色ある教👉を展開し、公
教👉の一翼を担う私立学校は、本県の教👉において重要な役割を果
たしており、個性豊かで魅力ある学校づくりが期待されている。

加えて、専修学校・各種学校は、実践的な職業教👉・技術教👉等
を行う教👉機関であるとともに、地域人材の👉成、リカレント教👉
にも貢献していることから、以下の事項に取り組む。

①私立幼稚園・小学校・中学校・高校の教育への支援、

②私立専修学校・各種学校の教育への支援

本方針2 すべての子どもたちが自分らしく安心して

過ごせる学校・家庭・地域等の構築

(1)多様性の尊重と包摂性のある教育の推進

障害や不登校をはじめ、日本語指導が必要な外国人の子どもたち、
特異な才能、複合的な困難等の様々な事情・背景により多様な教👉
ニーズのある子どもたちに対して、自立と社会参加を見据えて、社
会的包摂の観点から「個別最適な学び」の機会を確保するとともに、
すべての子どもたちがそれぞれの多様性を認め合い、互いに高め合
う「協働的な学び」の機会を確保することが重要である。

加えて、一人一人の生き方、能力、適性を考え固定的な性別役割
分担意識等にとらわれずに、主体的に進路や職業等を選択する能
力・態度等を身に付けられるよう、一人一人の能力・可能性を最大
限に伸ばす教👉の実現が重要である。

これらの実現には、無意識の思い込み(アンコンシャス・バイア
ス)の払拭や、いわゆる「同調圧力」から脱却することが不可欠で
あり、それは学校のみならず社会全体で重視していくべきことに留
意しつつ、以下の事項に取り組む。

①特別支援教育の推進(再掲)、②不登校児童生徒への支援(再掲) 、

③多様な教育ニーズへの対応、➃男女共同参画の視点に立った教育の推進

(9)人生100年を通じた学びの推進

人生100年時代においては、県民誰もが、生涯にわたって学び続
けられる機会の確保とともに、意欲をもって知識と知恵をアップ
デートし続け、スキルを身に付けるなど、自らの可能性を最大限に
伸ばし、学びの成果を社会の様々な場面で発揮できる社会を形成す
ることが求められている。

加えて、県立美術館・博物館等の社会教👉施設の活動等を充実さ
せるとともに、生涯を通じた文化芸術活動の充実や文化財の適切な
保存・活用、人生を健康にいきいきと過ごすための運動・スポーツ
を推進すべく、以下の事項に取り組む。

①生涯学習・社会教育の振興、②社会教育施設の充実、③文化芸術の振興と

文化財の保存・活用、➃「する・みる・ささえる」スポーツへの参画

(2)学校・家庭・地域との協働による豊かな学びの推進

子どもたちの豊かな学びの推進や自分らしく安心して活動できる
居場所づくり等のためには、学校・家庭・地域が連携・協働するこ
とが重要である。

その際、家庭教👉は、すべての教👉の出発点であることを再認識
し、その上で、家庭環境の多様化に伴う家庭における教👉上の課題
を解決する視点が重要である。

加えて、地域の教👉力を高めていく上では、地域住民が共に学び、
地域コミュニティ形成の営みという性格を強く有している社会教👉
の役割の重要性や、子どもたちが地域活動へ参画するなど、若い世
代の参画の重要性を再認識した上で、以下の事項に取り組む。

①家庭の教育力の向上、②地域の教育力の向上 – 20 –

第4期ひょうご教育創造プラン(案・概要)(第3部 6 本方針)

(3)子どもの育ちを社会全体で支える取組の推進

学校外の多様な担い手による学びの提供や多様な支援体制の確
保は、子どもたちの学びを支え、自己👉定感を👉む上で重要である。
また、一人一人が子どもたちの成長に関わる教👉の当事者であると
いう意識をもち、社会総掛かりでの教👉を実現するため、子どもた
ちの創造的な活動等を支援する取組の推進や、賛同する活動への寄
附も含め、様々な形で貢献したいと思うような機運を醸成していく
ことが重要である。

加えて、地域の大人たちや企業・団体がこれまで以上に教👉に
関わりやすくするとともに、学校・家庭・地域の取組に保護者が積
極的に参画することができるという観点からも、社会全体で働き方
改革やワーク・ライフ・バランスを推進すべく、以下の事項に取り
組む。

①子どもたちの創造的な活動等を支援する取組の推進、

②働き方改革・新たな働き方やワーク・ライフ・バランスの推進

(4)関係機関等との連携の強化

いじめ、不登校、障害、児童虐待、性犯罪・性暴力 、ヤングケ
アラー 、貧困等、子どもたちが抱える困難や課題が多様化・複雑
化している中、誰一人取り残されない支援や教👉環境を提供してい
くことは不可欠である。加えて、教👉データを効果的に利活用する
ことで、困難や課題を抱える子どもたちの早期発見・早期対応が可
能となることが期待されることも踏まえ、以下の事項に取り組む。

①関係機関等との連携の強化、②教育データ利活用に関する研究

(5)子どもたちの安心・安全の確保

学校のみならず、保護者や地域、関係機関とも連携・協働しつつ、
子どもたちが日常において、安心・安全に学校生活を送ることがで
きるよう、主体的に判断して行動する力や共生の心を👉成するとと
もに、新たな感染症の流行や災害等、不測の事態が生じた際の子ど
もたちの学びの保障に取り組むため、以下の事項に取り組む。

①安全教育の推進、②「兵庫の防災教育」の推進、

③学校の危機管理体制の向上

本方針3 安心・安全で質の高い学びを実現する

教育環境の整備・充実

(1)教育DXの実現に向けた教育の情報化の推進

ICTやAI等の技術革新が飛躍的に進化するSociety5.0時代を生き
ていくためには、時代の変化とともに成長しつつ、そのような時代
を創造していく力と意思を👉んでいくことが不可欠である。

そのためには、学校教👉において、ICTの活用が「日常化」するよ
う取り組むとともに、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一
体的な充実を図ることが重要である。

また、教👉データを効果的に利活用することで、そのような学び
の実現や、困難や課題を抱える子どもたちの早期発見・早期対応が
可能となることが期待されることも踏まえ、以下の事項に取り組む。

①1人1台端末の活用、②情報活用能力(情報モラルを含む)の育成(再掲)、

③教員のICT活用指導力の向上、

➃校務改善と教育環境充実に向けたICT環境の整備・充実、

⑤教育データ利活用に関する研究(再掲)

  • 21 –

第4期ひょうご教育創造プラン(案・概要)(第3部

(2)修学環境の整備・充実

子どもたちの安心・安全を確保しつつ、質の高い学びや快適な学
校生活を送る環境を実現するとともに、すべての子どもたちが未来
に希望をもち、家庭の経済事情によって「学び」が止まることがな
いよう、以下の事項に取り組む。

①安全・安心な教育環境整備の推進、

②教育費負担の軽減に向けた経済的支援

6 本方針)

(3)教職員の資質・能力の向上

教👉現場は、日々子どもたちに向き合う教職員の熱意と努力に支
えられている。教職員を取り巻く環境が厳しさを増す中で、「教👉
は人なり」のもと、志ある優れた素養と資質・能力を備えた魅力あ
る人材を確保・👉成し、子どもたちに「在りたい未来」を創造して
いく力を👉むことができるよう、以下の事項に取り組む。

①質の高い人材の確保、資質・能力の向上、

②意欲と能力が最大限発揮できる指導・運営体制の整備・充実

(4)学校の組織力の向上

質の高い教👉の実現や複雑化・困難化する教👉課題に対応してい
くためには、教職員が心身ともに健康で能力を発揮できる環境整備
が重要である。校長等のマネジメントのもと、業務量の削減や業務
の効率化、健康の保持増進を図るとともに、子どもたちに必要な資
質・ 能力を👉むことができるよう、以下の事項に取り組む。

①働きがいのある学校づくりの推進、②教職員の健康管理、

③管理職の確保・育成

  • 22 –

文 教 関 係

第25号議案 個人番号の利用、特定個人情報の提供等に関する条例の一部を
改正する条例

1 制定の理由

高等学校等への就学を支援する制度における電子申請手続の導入に向けて、制度が適正かつ円滑
に運用できるよう、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に規
定する個人番号利用事務(その保有する特定個人情報ファイルにおいて個人情報を効率的に検索し、
及び管理するために必要な限度で個人番号を利用して処理する事務をいう。以下同じ。)に高等学
校等専攻科の生徒の生計を維持する者に対する当該生徒に係る授業料以外の経済的負担の軽減を
図るための給付金の支給に係る事務及び高等学校等専攻科の生徒に対する授業料に相当する額の
支給に係る事務を追加する等、所要の整備を行う。

2 制定の概要

(1) 知事が個人番号を利用することができる事務に、高等学校又は中等教育学校における専攻科の
生徒の生計を維持する者に対する当該生徒の奨学のための給付金の支給に関する事務(「高等学
校等専攻科奨学給付金支給事務」という。)であって規則で定めるものを追加する(別表第1関係)。

(2) 教育委員会が個人番号を利用することができる事務に、次に掲げる事務を追加する(別表第1
関係)。

ア 高等学校、中等教育学校又は特別支援学校における専攻科の生徒に対する修学のための支援
金の支給に関する事務(「高等学校等専攻科支援金支給事務」という。)であって規則で定め
るもの

イ 高等学校等専攻科奨学給付金支給事務であって規則で定めるもの

(3) 知事がその保有する特定個人情報を利用することができる場合に、次の表の左欄に掲げる事務
を処理するために同表の右欄に掲げる特定個人情報を利用する場合を追加する(別表第2関係)。

事務 特定個人情報

高等学校等就学支援金の支給に関
する法律(平成22年法律第18号)
第2条に規定する高等学校等(以
下「高等学校等」という。)を退学
し、再び高等学校等に入学した者
に対する同法第3条第1項に規定
する就学支援金に相当する額の支

生活保護関係情報又は外国人生活保護関係情報で
あって規則で定めるもの

  • 23 –

援金の支給に関する事務(以下「高
等学校等支援金支給事務」とい
う。)であって規則で定めるもの

(1)に掲げる事務

生活保護関係情報又は外国人生活保護関係情報で
あって規則で定めるもの

(4) 教育委員会がその保有する特定個人情報を利用することができる場合に、(2)アに掲げる事務
を処理するために就学支援金関係情報であって規則で定める特定個人情報を利用する場合を追
加する(別表第2関係)。

(5) 知事が特定個人情報を提供することができる場合に、教育委員会が次の表の左欄に掲げる事務
を処理するために同表の右欄に掲げる特定個人情報の提供を求めた場合を追加する(別表第3関
係)。

事務 特定個人情報

高等学校等支援金支給事務であっ
て規則で定めるもの

生活保護関係情報又は外国人生活保護関係情報で
あって規則で定めるもの

(2)アに掲げる事務

生活保護関係情報、外国人生活保護関係情報又は就
学支援金関係情報であって規則で定めるもの

(2)イに掲げる事務

生活保護関係情報又は外国人生活保護関係情報で
あって規則で定めるもの

3 施行期日

公布の日

  • 24 –

第28号議案 職員の給与等に関する条例及び公立学校教育職員等の給与に
関する条例の一部を改正する条例

1 制定の理由

県政改革方針に基づき、職員の給与に係る抑制措置について、本県の財政状況を踏まえ、引き続
き実施することとし、関係条例について所要の整備を行う。

2 制定の概要

公立学校教育職員等の給与に関する条例(以下「教育職員給与条例」という。)の一部改正
管理職手当の特例

令和6年4月1日から令和7年3月31日までの間に支給する管理職手当の月額について、行政
職7級相当以上の職員については引き続き100分の12に相当する額を減じた額とする措置を実施
し、行政職6級相当の職員については引き続き100分の8に相当する額を減じた額とする措置を実
施する(教育職員給与条例附則第3条関係)。

3 施行期日

令和6年4月1日

第37号議案 兵庫県立女性家庭センターの設置及び管理に関する条例等の
一部を改正する条例

1 制定の理由

困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(以下「困難女性支援法」という。)の制定等によ
り、婦人相談所の名称が女性相談支援センターに変更されること等に伴い、関係条例について所要
の整備を行う。

2 制定の概要

学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部改正

学校医等への休業補償の対象から除かれる期間から、婦人補導院その他これに準ずる施設に収容
されている場合を削除する(第6条関係)。

3 施行期日

令和6年4月1日

  • 25 –

第44号議案 兵庫県学校教職員定数条例の一部を改正する条例

1 制定の理由

公立学校における児童生徒数の増減等を踏まえ、学校教職員の定数を改めるため、この条例を
制定しようとする。

2 制定の概要

学校教職員の定数を次のとおり改める(第1条関係)。 (単位:人)

区 分 現行定数

改正後

増 減 備 考

の定数

小学校

(義務教育学校の
前 期 課 程 を 含
む。)

13,789

13,873

+84

児童数 198,733 人→194,651 人(△4,082)
学級数 8,729 学級→8,789 学級(+60)
学校数 567 校→562 校(△5)

中学校

(義務教育学校の
後期課程及び中
等教育学校の前
期課程を含む。)

7,760

7,787

+27

生徒数 96,113人→95,355人(△758)
学級数 3,426学級→3,406学級(△20)
学校数 254校 (±0)

高等学校

(中等教育学校の
後 期 課 程 を 含
む。)

7,640

7,720

+80

生徒数 90,760人→91,240人(+480)
学級数 2,189学級→2,201学級(+12)
学校数 137校 (±0)

特別支援学校

3,475

3,585

+110

児童生徒数 5,331人→5,520人(+189)

学級数 1,316学級→1,353学級(+37)
学校数 41校→42校 (+1)

合計 32,664

32,965

+301

3 施行期日

令和6年4月1日

  • 26 –

第45号議案 兵庫県立教育研修所の設置及び管理に関する条例の一部を改
正する等の条例

第1 制定の理由

教育関係職員の研修並びに教育に関する専門的技術的事項の研究及び相談を総合的に行うため、
兵庫県立教育研修所と兵庫県立特別支援教育センターを統合し、兵庫県立総合教育センターを設置
することとし、関係条例について所要の整備を行う。

第2 制定の概要

1 兵庫県立教育研修所の設置及び管理に関する条例の一部改正

(1)兵庫県立教育研修所の名称を兵庫県立総合教育センターに改める(題名及び第1条関係)。

(2)兵庫県立総合教育センターの設置目的を、教育関係職員の研修並びに教育に関する専門的技
術的事項の研究及び相談を総合的に行うこととする(第1条関係)。

(3)兵庫県立総合教育センターが行う業務のうち教育相談に係るものを、教育に関する各種相談
に応ずることに改める(第3条関係)。

(4)その他規定の整備を行う(第1条から第5条まで関係)。

2 兵庫県立特別支援教育センターの設置及び管理に関する条例の廃止

兵庫県立特別支援教育センターの設置及び管理に関する条例は、廃止する。

第3 施行期日等
1 施行期日

令和6年4月1日

2 附属機関設置条例の一部改正

規定の整備を行う(第2条関係)。

3 兵庫県立こども発達支援センターの設置及び管理に関する条例の一部改正

兵庫県立特別支援教育センターの字句を兵庫県立総合教育センターの字句に改める(第7条関
係)。

  • 27 –

第46号議案 兵庫県立体育施設の設置及び管理に関する条例の一部を改正
する条例

1 制定の理由

兵庫県立体育施設について、スポーツに関する事務(学校における体育に関することは除く。)
を管理し、及び執行している知事が所管するため、所要の整備を行う。

2 制定の概要

教育委員会の権限に係る規定を知事の権限に係る規定に改める(第3条から第6条まで、第8条、
第9条及び別表関係)。

3 施行期日等

(1) 施行期日

令和6年4月1日

(2) 経過措置

2に伴う必要な経過措置を定める。

第87号議案 公の施設の指定管理者の指定

公の施設の指定管理者を次のとおり指定しようとする。

名 称
兵庫県立弓道場

指 定 管 理 者

神戸市中央区下山手通4丁目16番3号
公益財団法人兵庫県スポーツ協会

理事長 今井 良広

指 定 の 期 間
令和6年4月1日から
令和7年3月31日まで

〔指定理由〕

(1)(公財)兵庫県スポーツ協会は、安土(あづち)・的等の設備の維持
管理、安全管理等においてノウハウを有しており、また、弓道人口拡
大に向けた弓道教室や弓道大会への講師の派遣等において、加盟団体
である兵庫県弓道連盟からの協力も得られるため、管理運営者として
適当である。