歯科保健事業とその背景
R4年4月施行の「歯及び口腔の健康づくり推進条例(歯及び口腔の単独条例)」に基づき、人生100年時代に向け、乳幼児期から高齢期まで生涯にわたる切れ目のない歯及び口腔の健康づくりを推進するため、県民にかかりつけ歯科医等で定期的に歯科健診を受けるよう啓発し、特に受診機会の少ない働き盛り世代には、健康づくりチャレンジ企業等へ歯科健診費用の助成等を行い、本人とその家族に受診促進を図っている。
その結果、県の調査で過去1年間に歯科健診を受診した県民の割合は増加したが、20歳代の割合が最も低かったことから、若者への働きかけが最大の課題といえる。
そこで、若い世代で人気の高いタレント(ジャルジャル)を「ひょうご健口推進部長」に任命し、県ホームページやイベント等で、むし歯や歯周病を防ぎ歯及び口腔の健康を保つため、かかりつけ歯科医を持ち適切なセルフケアを実践するよう啓発することとした。
R6年11月16日には万博プレイベントとして「噛ミングEXPO 25(前哨戦)」を開催、大阪大学の坂中先生を講師として、ジャルジャル、兵庫県歯科医師会の健口アンバサダーの信濃さんと参加者が共にクイズに挑戦しながら楽しく学ぶトークショーを行った。R7年度においても、大阪・関西万博を契機としたイベントを皮切りに、県HPやSNS等も活用し、歯と口の健康の大切さを伝え、定期的な歯科健診とセルフケアの啓発を図る。
その他、各ライフステージの施策では、子どもの健やかな成長発育を促すため、全ての市町で妊婦歯科健診を実施するとともに、乳幼児のむし歯を防ぐフッ化物洗口事業に取り組む市町を支援する。
また、元気な高齢者をサポートするオーラルフレイル予防事業、要配慮者の誤嚥性肺炎を防ぐ口腔ケア支援事業、入所施設の障害者(児)への定期的歯科健診導入や口腔ケア支援体制の整備を行う。
さらに、阪神淡路大震災から30年の節目を迎える令和6年8月には災害時の歯科保健医療活動に関する協定を県と県歯科医師会で締結し、兵庫における災害時の歯科保健医療活動の指針を10年ぶりに改定した。
R7年度は、歯科関係者への災害歯科支援チーム(JDAT)標準研修会と、行政歯科担当者への歯科保健医療活動指針(改訂版)に基づく研修会を実施するとともに、各地域へポータブル歯科医療機器を配置し、災害時への備えを強化する。